農村生活を研究する中で、自ら畑で栽培した農作物を、栄養価が高く経済的な食品に加工し、普及しようとして始まった加工品の製造。
このトマトケチャップは、学園の歴史でもあります。
学園トマトケチャップは、太陽の光をいっぱい浴びて真っ赤に熟れた完熟トマトを使用し、化学調味料、合成保存料、着色料等その他の添加物を一切加えず、その代り、多くの手間と愛情を込めて作られています。
製造は、事業部の藤澤ハマ子さん、浅沼賢治さんの2人。
息の合った二人の作業で、学園の加工製品の製造を全て行います。
トマトケチャップの原料となるトマトピューレは、トマトが真っ赤に熟れる7月末から8月にかけて集中的に作ります。
一年間に使用するトマトは3トン以上。
美味しいケチャップの為にこの時期は、ほぼ毎日ピューレ作りに追われます。
生で食べて美味しいトマトは、みずみずしくジューシー。
しかし、このトマトをそのままケチャップにすると水っぽく抜けた味になります。
その為、このピューレ作りの作業が重要なポイントとなるのです。

へたを取り、ざく切りにした新鮮なトマトを裏ごしし、種と皮を取り除き少量の塩を加え煮ること3時間。
「トマトの水分を十分に飛ばしてあげないと美味しいケチャップが出来ないんですよ」
(ハマ子さん)
アクを取りながら3時間ほど煮込んだトマトは、燃えるような真っ赤な色に変化します。
ここまでが一次加工。ケチャップの素となるトマトピューレの完成です。
ピューレは、個別のビンに小分けし貯蔵します。

二次加工
大鍋にいっぱいトマトピューレを入れ火にかけます。
少し温まったところで三温糖、塩、にんにくとたまねぎのすりおろしを入れひたすら煮ること3時間。
加工場は、トマトの香りでいっぱいです。
3時間程たったころハマ子さんは糖度計を取り出し糖度を計ります。
学園のトマトケチャップの合格ラインは27度
市販のケチャップより、味が濃く美味しい訳がこの糖度にあります。
※トマトケチャップの定義は、糖度26度以上であること。
逆にトマトソースは、26度以下となります。
糖度を計り、タイミングを見てシナモン、一味、胡椒、ナツメグ等を含む7種類のオリジナルブレンドの香辛料と、試行錯誤の上、巡り合ったという濃厚なお酢を入れてトマトケチャップが完成します。
味は、トマトの甘味、旨味が広がる濃厚ソースといった感じ。
7種のスパイスの風味が謙虚に顔を出しつつ、トマトの風味がそのまま伝わってくるまさに究極のトマトケチャップです。
トマトケチャップは凝縮された旨味調味料
トマトには、グルタミン酸、アスパラギン酸という旨味成分が豊富に含まれています。
ということは、トマトをぎゅっと凝縮したケチャップは、旨み濃縮調味料となります。
肉・魚介のくさみ消しにも効果
トマトの香り成分には、シトラールという成分が多く含まれています。
シトラールは、肉や魚の臭みを消す効果がある為、ケチャップにそれらを漬け込むことで臭みが消え美味しさもアップするといわれています。
肉・魚介類が柔らかく
また、トマトに含まれるクエン酸とトマトケチャップに入っているお酢にはたんぱく質を分解する酵素の働きがあります。酵素の効果により肉・魚介類が柔らかくなるのです。
トマトに多く含まれる注目の13オキソODAやリコピン
血中や肝臓の中性脂肪を減少させる効果や脂肪燃焼をうながす効果などで注目されている13オキソODAは、トマトに多く含まれます。
トマト成分をぎゅっと凝縮したトマトケチャップを活用することで効果的に取り入れることができます。
また、トマトの赤い色はリコピンによるもの。
リコピンは、活性酸素を除去する作用があります。リコピンの抗酸化作用はとても強く強力でベータカロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上の効果があります。
